ネットワークRTK測位の利用方法と実測データによるGPS精度比較

こんにちは、株式会社ギョロマンのカスタマーサポート担当です。

株式会社ギョロマンのGPS-RTK測位ユニット「GG-1」は3つの測位方法に対応しています。

今回はその中の一つであるネットワークRTKの利用方法と実測データをご紹介し、さらにGG-1単独測位の実測データと精度比較したいと思います。

ギョロモバイルとGG-1を組み合わせれば手軽にネットワークRTKが利用可能

株式会社ギョロマンのモバイルGIS/GPSアプリ「ギョロモバイル」GPS-RTK測位ユニット「GG-1」を組み合わせれば、手軽にネットワークRTKを利用した位置計測を行うことができます。

ご注意ください

なお、ネットワークRTKを利用するためには電子基準点の補正データが必要です。
今回は日本GPSデータサービス社が提供している補正データを利用しました。

また、ネットワークRTKを利用する際はインターネットへの接続環境が必要です。
(注:GG-1単独測位の場合はインターネット接続環境は不要です)

ネットワークRTKの利用手順はたったの2ステップ

ギョロモバイルの「NetworkRTK設定」に補正データ情報を入力する

ここでは日本GPSデータサービス社から提供されたアカウント情報を入力します。

STEP
1

ギョロモバイルとGG-1をGPS接続する

ギョロモバイルとGG-1をBluetooth接続でつなぎます。
GG-1の接続方法は「【カンタン2ステップ】GPS-RTK測位ユニット「GG-1」の使用方法」で詳しく解説しています。

STEP
2

GPS接続後、画面左下のアイコンに「RTK Fix」と表示されればネットワークRTKの準備完了です。

GPS精度の検証方法

今回はネットワークRTKのGPS精度を検証するため、ギョロモバイルのトラッキング機能を用いて定点における位置情報を連続記録してみました。

ギョロモバイルのトラッキング機能は現在地の位置情報を一定時間間隔ごとに自動記録することができます。GG-1とスマホを計測場所に定点として設置し(下記画像参照)、ギョロモバイルのトラッキング機能をスタートさせると5秒間隔毎に現在地が青点で記録されていきます。各パターン5分間ずつ計測し、この青点のバラつきをGPSの精度として比較します。

計測場所都内公園
計測方法・GG-1単独測位
・GG-1ネットワークRTK測位
・スマホ内蔵GPS
の3パターン
計測時間各5分間
トラッキング間隔5秒毎
GPS位置データの計測条件

GPSの実測データ

それでは各パターンのGPS実測データをご紹介します。

パターン① ネットワークRTK

まずはネットワークRTK測位による実測データです。

ネットワークRTK測位のトラッキングデータ(縮尺1/50)

縮尺1/50ではトラッキングデータ(青点)のバラつきがほとんどないことがわかります。

ネットワークRTK測位のトラッキングデータ(縮尺1/10)

縮尺を1/10まで拡大すると青点に多少バラつきが確認できるようになりますが、目測からおおよそのバラつきを算出すると、GPSの値は定点から半径2.5cm程度の範囲に収まっていることがわかります。これはGG-1の2周波RTK精度が「2cm CEP」ですので、近い値になっていると言えます。

補足

上記画像の青点(トラッキングデータ)右側に表記されている「0.4[m]」はトラッキングデータの総延長であり、バラつきの範囲ではありません。

パターン② GG-1単独測位

次にGG-1単独測位の実測データです。

単独測位のトラッキングデータ(縮尺1/100)

縮尺1/100の段階で既に多少のバラつきが確認できます。

単独測位のトラッキングデータ(縮尺1/50)
単独測位のトラッキングデータ(縮尺1/10)

縮尺1/50、縮尺1/10と拡大させていくと、ネットワークRTKと比べてバラつきが目立つようになりました。目測からおおよそのバラつきを算出すると、GPSの値は定点から半径25cm程度の範囲に収まっていることがわかります。GG-1の2周波精度が「1.5m CEP」ですので値としては妥当と言えますが、ネットワークRTKの方がよりGPS精度に優れていることがわかります。

パターン③ スマホ内蔵GPS

最後に、スマホ内蔵GPSでも実測データを取ってみました。

スマホ内蔵GPSのトラッキングデータ(縮尺1/1000)
スマホ内蔵GPSのトラッキングデータ(縮尺1/250)
スマホ内蔵GPSのトラッキングデータ(縮尺1/100)

縮尺1/1000の段階で既にバラつきが確認でき、縮尺1/100では画面に収まらないくらいバラついていることがわかります。GG-1を使った位置計測とは精度の差が一目瞭然です。

比較画像1

比較画像2

ネットワークRTKの利用方法とGPS精度まとめ

  • ギョロモバイルとGG-1を組み合わせればネットワークRTKがカンタンに利用できる。
  • GG-1のGPS精度の高さはスマホ内蔵GPSと比べて一目瞭然。さらにネットワークRTKを利用すればより精度の高い位置計測が可能。
    (参考記事:GPS-RTK測位ユニットとスマホ内蔵GPSの精度比較
  • ネットワークRTKの位置計測は数cm程度の精度(諸々の条件による)。

高精度GNSSユニット「GG-2」テスト機の貸出も行っております。高精度測位を試してみたい方はお気軽に担当福元(ふくもと)までご相談ください。また、「GG-2/GG-2LTを使ってこういうことを試したい」「ギョロマンに試してみてほしい」ということがございましたら、お問い合わせフォームよりご相談ください。

高精度GNSSユニット「GG-2」